上の子のとき、ベビーカーを2回買い替えました。「2回」というのはお世辞でも謙遜でもなく、本当に2回買い直したんです。1台目は産前に「安いから試しに」と買った2万円弱のやつ、2台目は「やっぱりちゃんとしたのにしよう」と買い直した国内有名メーカーの5万円台。それでも下の子が生まれる前に3台目を選ぶことになりました。妻には「またベビーカー調べてる」と呆れ顔をされながらも、今回は絶対失敗したくないという気持ちでリサーチしました。
この記事では、そのリサーチと実際の使い経験をもとに、どういう軸でベビーカーを選べばいいかを正直に書きます。スペック表を並べるのではなく、「これで失敗した」「これがわかってたら違う選択をしてた」という話を中心に。
パパがベビーカーで一番後悔するのはこれ
後悔の内容は人によって違うんですが、パパに限って言うと「思ったより重くて腰にきた」という声が多い気がします。私の場合、1台目の後悔はまさにこれでした。
生後4ヶ月のとき、家族で電車移動をした日のことです。ベビーカーで改札を通ろうとしたらエレベーターが混んでいて、階段を使うことにしました。7kgのベビーカー+子どもの体重を担いで3フロア上がったところで、「これは毎回やれない」と思いました。しかもその日は妻が体調不良でほぼ私1人で動いていたので、片手に抱っこ、もう片手でベビーカーを持ち上げる状態になって、駅員さんに声をかけていただくという、なかなか情けない体験をしました。
「ベビーカーの重さ」は、持ち上げる回数が多い人ほど効いてきます。毎日車で移動してトランクに積み下ろしする人、電車移動で階段を使う機会がある人、外出先でエレベーターがない場所に行く人、そういう状況が日常にあるなら、重さは最重要事項になります。「子どもを乗せて押すだけなら重さは関係ない」というのは、乗せ下ろしや持ち運びがほぼゼロのケースだけです。
軸1: 軽さは正義、だけど「どのくらい軽いか」より「いつ持ち上げるか」
軽量モデルと標準モデルの境界線は、だいたい4kg台か5kg台かで分かれます。数字だけ見ると1〜2kgの差ですが、体感は結構違います。
スゴカルSwitchが4.8kgで、前に使っていた機種が6.3kgでした。乗り換えて最初に持った瞬間、「あ、これは全然違う」とわかりました。長時間持ち上げ続けるわけじゃないのに、それでも1.5kgの差はわかります。毎日トランクに積み込む生活だと、朝晩2回×30日で60回の持ち上げが1ヶ月で積み重なります。腰痛持ちのパパには特に刺さる話のはずです。
一方で、「車移動はほぼなし、ベビーカーは家から公園まで押すだけ」という使い方なら、4kg台と5kg台の差はほぼ感じません。重さの問題は「持ち上げる機会がどれくらいあるか」で変わってきます。
電車移動が多い都市部に住んでいて、エレベーターが使えないケースがそこそこある人なら、4kg台は本当に助かります。一方、専業主婦家庭で自転車移動が中心、ベビーカーはたまのお出かけ用という使い方なら、5〜6kg台でも十分という判断もあります。
カーボン素材を使って軽量化を突き詰めたサイベックス メリオカーボンは、デザインと軽さを両立させたいパパにとって選択肢になります。価格は高めですが、「長く使える1台」として買うなら十分な投資対象です。予算を抑えつつ軽量モデルが欲しいならピジョン ビングルABが2万円台で4kg前後というコスパの良い選択肢になります。
軸2: 片手操作できるか。これが妻との分担に響く
「片手でたためる」という機能は、カタログ上のスペックとして見るとそこまで重要に見えないかもしれません。でも、ワンオペで外出したことがある人なら絶対わかると思います。
子どもを抱っこしている状態でベビーカーをたためるかどうか、これは「便利か不便か」ではなく「やれるかやれないか」の話です。ベビーカーから子どもを降ろして片手で抱っこしながら、もう片手でたたんでトランクに入れる。この一連の動作が片手操作でできるかどうかで、現場での体感は全然違います。
私が2台目に使っていたコンビの旧機種は「片手操作」と書いてあったんですが、実際には片手でボタンを押しながら足でフレームを抑えないと完全にはたためませんでした。いわゆる「片手+足」操作で、厳密には片手ではない。子どもを抱っこしながらやろうとすると難しくて、毎回少し焦っていました。
スゴカルSwitchはこれが本当に片手だけで完結します。サイドのボタンを押してハンドルを下げる、それだけ。妻に使ってもらったときも「これは楽」と言っていたので、パパだけでなく誰でも同じように使えます。上の子の保育園のお迎えで電車を使う日は、改札前でこれができるかどうかが地味に重要でした。
片手開閉は、特に「電車移動」「階段のある場所」「一人で子どもを連れて動く機会が多い」という状況に刺さる機能です。どちらか一方が常にベビーカーを担当するという運用なら優先度は下がりますが、夫婦で分担する家庭では「どちらが使っても同じように扱える」という操作の単純さが大事になってきます。
軸3: 車への積み下ろしは家の構造とセット
「車移動メインだから軽さは気にしない」という判断は、ミニバン乗りに限れば正しいかもしれません。でもコンパクトカーやセダンのトランクでは話が変わります。
トランクの地面からの高さが問題で、車種によってはトランク口が腰の高さより上にあります。そこへ折りたたんだベビーカーを持ち上げて入れる動作は、毎日やると腰にきます。しかも帰りはくたびれた状態でそれをやるわけです。
うちはコンパクトカーで、トランク口が高めの設計なんです。外出から帰ってきた夕方、子どもをチャイルドシートに乗せた後にベビーカーをトランクに入れる、この作業で何度か腰が痛くなりました。そのタイミングで「これはもう少し軽いのを選ぶべきだった」と思ったのが、3台目を探し始めたきっかけでもあります。
ミニバンのように地面からトランクまでの高さが低い車なら、5kg台でも持ち上げの負担は小さいです。収納スペースも広いので、折りたたんだサイズへの制約も少ない。その場合はアップリカ ラクーナコンフォータブルのように、5.2kgながら収納バスケットが大きいモデルという選択もあります。
コンパクトカーで日常的に積み下ろしするなら、4kg台の軽量モデルを優先して選ぶべきです。そして折りたたみサイズも確認しておいて損はありません。メーカーのスペック表に「折りたたみ時サイズ」が記載されているので、自分の車のトランクに入るかどうかを先に確認しておくといいです。
軸4: 収納は「哺乳瓶+おむつ+着替え」が入るか
ベビーカーを選ぶときに収納を軽視すると、あとで後悔します。私がそれです。
スゴカルSwitchを選んだとき、軽さと片手操作を優先したので収納の小ささは「まあいいか」と思っていました。実際に使い始めると、哺乳瓶・おむつポーチ・着替えの袋、この3点でバスケットは満杯。保冷バッグや財布が入りません。毎回マザーズバッグを別途持ち歩く必要があって、トータルで持つ荷物は増えました。
補助ポーチをフレームにつけることで多少解決しましたが、「最初からバスケットが大きければよかった」という気持ちは正直あります。
目安として、「哺乳瓶1本+おむつポーチ(ふっくら系)+着替え袋1枚」が同時に入るかどうかを確認してみてください。これが基本の持ち物で、夏場は保冷バッグも加わります。実店舗で確認できるなら、実際に入れてみるのが一番確実です。
収納を重視するならラクーナコンフォータブルは評判がいいです。5.2kgと軽量モデルより少し重いですが、収納バスケットの大きさと使い勝手のバランスが取れていて、「荷物をなんとかしたい」という悩みには直接刺さる選択肢です。
軸5: 月齢と使用期間で判断する「A型/B型/兼用」の選び方
A型かB型かという分類は、要するに「何ヶ月から使えるか」の話です。新生児から使いたいならA型(背もたれを完全にフラットにできる)、7ヶ月以降からなら軽量のB型で十分、という整理が基本です。
上の子のとき最初に買ったのがB型でした。「安いしとりあえずこれで」と思っていたんですが、首がすわる前の時期はそもそも乗せられないんです。当たり前の話なんですが、産前に調べなかった私のリサーチ不足です。新生児から使いたいなら両対面のA型を選んでください。
7ヶ月以降からなら軽量B型で問題ありません。このタイミングになると外出が増えてくるので、むしろ軽さや折りたたみの簡便さが使い勝手を左右します。長時間の外出や旅行でも、軽いB型の方が疲れません。
兼用モデルは「新生児からも使えてある程度の期間使い続けたい」という要望に応えるものですが、軽さと収納の両立は難しく、A型ほどフラットにならないものもあります。どちらかに特化したモデルより性能が中間になりがちな点は理解した上で選ぶといいです。
特殊なケースとして、年子や双子の場合は二人乗りに対応した機種が必要になります。ジョイー エアツインは2人乗り対応で価格も抑えめです。兄弟間の年齢差が小さくてしばらく2人を乗せる可能性があるなら、早めに選択肢に入れておいた方がいいです。
予算別の現実的な選択肢
予算帯でざっくり整理すると、こんな感じになります。
2〜3万円台はお試し感覚というより、B型に割り切った選択として成立します。7ヶ月以降から使う予定で、軽さとコストを両立したいならビングルABが正直なところ最有力です。ピジョンというブランドへの信頼感もあるし、2万円台でこれだけ軽量というのはコストパフォーマンスが高い。
5〜7万円台は、機能と耐久性のバランスが取れた定番ゾーンです。スゴカルSwitchは片手操作と軽さを重視するパパに向いています。ラクーナコンフォータブルは収納と快適性を重視する家庭に向いています。どちらも長期使用に耐える品質があって、上の子・下の子と使い回す前提でも考えられます。
8万円以上のプレミアムゾーンは、デザインとブランドへのこだわりが加わってきます。メリオカーボンは軽さとデザインを両立したい、かつ予算を気にしないなら選ぶ価値があります。「ベビーカーにこだわりたい」という気持ちが強いなら、3〜4年使うことを考えると許容範囲の投資です。
どれから見れば良いか(タイプ別)
結局どれを選べばいいかは、自分の生活スタイル次第です。
軽さ重視ならスゴカルSwitchかメリオカーボン。前者はコスパも良くて片手操作も完成度が高い。後者は予算に余裕があってデザインも気にする人向け。
収納重視ならラクーナコンフォータブル。荷物が多くなりがちな家庭、保育園のお迎えで荷物をベビーカーに積む機会が多い人には一番合っていると思います。
価格重視ならビングルAB。月齢が合っていればこれで十分という結論が出る家庭は多いはずで、「安いから心配」という品質不安は特に感じないです。
双子・年子ならエアツインを見てください。そもそも選択肢が限られるカテゴリなので、早めに絞って検討した方がいいです。
うちは上の子で2回買い替えて、下の子では最初からスゴカルSwitchにして今のところ後悔はありません。この記事を書いている時点で8ヶ月経ちましたが、次のベビーカーを探す気持ちは今のところないです。何が合うかは家の環境と使い方で変わるので、店舗で実物を触ってから最終判断することをおすすめします。軽さの体感は数字ではわからないので。